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學長対談企畫 佐野 力 元日本オラクル會長

世界を視野に地域発信。今、時代が求める人材とは

元日本オラクル會長 佐野 力 × 小樽商科大學學長 和田健夫

日本全國に多くの財界人を輩出する小樽商科大學。中でも異才を放つのが 元日本オラクル會長の佐野力(さの?ちから)氏。和田健夫小樽商科大學學長を交えて、學生時代の思い出や世界的企業での體験、今の學生に期待することなどをお伺いした。

子どものころから「海外」に思いをはせる

和田

佐野さんは日本オラクルの會長として、世界を舞臺にご活躍されましたが、子どものころは外國への憧れはお持ちでしたか?

佐野

父は19歳のとき、新聞配達でためたお金で、シンガポール行きの貨物船の片道切符を購入し室蘭港を出発しました。シンガポールでは、英國人から寫真技術を學び、帰國後は寫真館を開業しました。
私は父が持ち帰った多くの寫真の中で育ちました。そしていつかは自分も父のように海外で働くのだと思っていました。

和田

その思いは、後につながっていくのですね。

佐野

高校2年生の時です。母に頼んで修學旅行の積立金で短波ラジオを買ってもらいました。英語講座を聞くためです。ラジオから流れる素晴らしい英語に觸れとてもうれしかったのですが、その反面、修學旅行に行かなかったことを一生悔いています。

IBMに入社して6年目、スイスで行われた英語によるプレゼンテーションの審査において、審査員40人全員から満點をもらったときは、英語を勉強したことが報われた瞬間でした。それからは「英語と世界は怖くない」と思うようになりました。

先輩との絆や恩師が、次の道を開いた

和田

佐野さんの商大時代のお話をお聞きしたいのですが。

佐野

かなり蠻カラな學生でした。応援団としてげたを履いて今も続く北大との対面式に臨んだり、柔道部員として北大の定期戦に出場していました。

和田

商大は創立以來100年を超える歴史があり、経済界を中心に有為な人材を輩出しています。卒業生の方々の結束力、母校を応援する気概を本當に強く感じます。

卒業生が組織する公益社団法人緑丘會?公益財団法人小樽商科大學後援會(島崎憲明理事長)には募金活動や學生に対する支援などをいただき、またお膝元の小樽支部(莊司俊雄支部長)、札幌支部(山田二郎支部長)をはじめ、全國26支部の支援體制が整備されていることから、大學としても大変心強く感じています。

和田

學業についての思い出はいかがでしょうか?

佐野

何といっても経営學の伊藤森右衛門教授(後に第4代學長)との出會いです。また先生がテキストとして用いたピーター?ドラッカーの『會社という概念』という原書ですね。伊藤教授は「経営學は社長の學問」が持論で「社長と副社長では天と地の差がある。どうせならトップを目指せ」と。その後の私の生き方に大きな影響を與えました。また、より確かなビジネスを遂行するためには、簿記會計の知識は社長から新入社員まで必要な基本的知識です。

一方、文學、蕓術、歴史といった一般教養はとても重要であり、世界共通の話題として身につける必要があると考えています。英語のみならず第2外國語を用いて相手に感動を與えるような対話をしなければこれからの競爭には勝てません。

和田

簿記の重要性は今の學生も感じているのでしょう。 現在1年生から履修できる科目の「簿記原理」は必修ではありませんが履修率はほぼ100%となっています。

実學?語學を進化させ「世界」を學ぶ

和田

ご存じの通り本學は「実學、語學、品格」を教育のモットーとしてきました。とりわけ外國語教育は「北の外國語學校」とも稱されるほど力を入れてきました。

今は対面型の學習とオンラインによる學習を組み合わせたブレンデッド?ラーニングという新しい授業形態を取り入れ、さらに充実を図っているところです。

佐野

大學として學生に求める將來像をお聞かせいただけますか?

和田

本學の伝統は「実學」教育ですが、これは深い専門知識と教養としての幅広い分野の知識を合わせもち、現実問題への解決に取り組む意欲と能力を備えた人材、それに加えて実踐的な語學能力と異文化理解能力を身につけて世界でも活躍できる人材を育成することにあります。

そして今挑戦しているのが、アクティブ?ラーニング(學生の主體的?能動的な學び)や先に述べたブレンデッド?ラーニングの開発です。最新のICT機器を備えた教室やラーニング?コモンズ(自由な學習スペース)を整備しました。この點では、本學は一歩進んでいると自負しています。

さらに今年度、グローバルな視點をもって北海道の発展に貢獻できる人材を育成するために「グローカルマネジメント副専攻プログラム」をスタートさせました。佐野さんにはプログラムの骨幹である「留學」に関する費用支援をしていただく「佐野力海外留學奨勵金」を創設いただきました。心からお禮申しあげます。

佐野力海外留學奨勵金、創設への思い

和田

このたび、佐野さんには10年間で600名にも上る留學支援のための奨學金を創設いただきましたが、その意図を教えていただけますか?

佐野

それはごく単純な発想からです。先輩が後輩に「きっかけ」を作り、與えられた「きっかけ」を「チャンス」に変えることができる人材に対して援助をしたかったからです。海外留學を経験した學生が帰國後にその経験を生かし、周りの人間にも刺激を與える存在になってほしい。私は、たった5人で日本オラクルを立ち上げ、わずか10年で一時はあの世界のソニーを時価総額で抜く企業としました。

なぜそのようなことが成し遂げられたかを振り返ると、いつか來るチャンスに対して常に準備を怠らなかったからだと思います。ここぞの際には先手を打つ。今、私が創設した奨勵金により、學生が早くから海外を経験し、何かを感じ、學んだ上で、日本という國を考え、いつか必ず訪れるチャンスをつかみ取ってくれたら、先輩としてこんなうれしいことはないと考えました。

言葉、環境、伝統を跳び越える力を

和田

世界的企業を育て上げ、海外での実績も豊富な佐野さんですが、最後に、企業経営における「グローバル」について、どうお考えですか?

佐野

今振り返ると子會社が親會社にはっきりと「NO」をいうことが「グローバル」の始まりだったかもしれません。當時、日本で販売を開始するにあたり、 米國オラクルの會長であるラリー?エリソンは「代理店」を通して販売することに反対しました。私は日本には日本のやり方があるとして「NO」を突き付け、結果、代理店を通じた「日本方式」により業績を圧倒的に向上させました。「グローバル」という考え方は、各國々の風習や文化の違いなどをお互いに理解した上で初めて成り立つものです。

そして10年後、日本オラクルは東証一部上場を果たしましたが、それは名実共に日本企業になった証しでした。「グローバル」はあらゆる垣根を跳び越えて、その地の環境の中で獨自のビジョンを深め広めていくことだと思います。経営者にはもうひとつ必要なことがありま す。私が2000年にドラッカーとお會いした際「自分の能力を公共や社會的弱者のために使うという使命感を持った人間」がリーダーになるべきだと語り熱い握手をしてくれました。

さらに私の持論を付け加えるなら、その企業で誰よりも、一番クリエイティブでなければならないと思います。

和田

本學は2013年8月8日に「No.1グローカル大學宣言」を行いました。グローバル時代における地域(北海道)の教育研究拠點として、グローバルな視野のもとで、ローカルな視點から考え行動できる能力の育成を目指すことを「宣言」として発信したのですが、佐野さんのおっしゃる通り、クリエイティブな感覚 と行動はまさしく「グローカル」な人材育成に最も必要なファクターだと思います。

佐野 力(さの?ちから)

1941年夕張郡栗山町生まれ。63年小樽商科大學卒業後、日本IBM札幌営業所入社。米IBM(ニューヨーク)出向、中國(北京)事業開発部長、西部営業本部長などを歴任。90年IBM退社、日本オラクル社長就任。社員5人でスタートし、その後業績を急伸させ10年目で売上657億円、社員1421人に。 2000年東証一部上場。會長就任後60歳で経営を退く。01年千葉県我孫子市に白樺文學館を自費で設立、館長に就任。また、母校の先輩である小林多喜二の研究者としても知られ、白樺文學館に小林多喜二ライブラリーを併設。後に日本の若年労働者のワーキング?プア問題が重なり「蟹工船」ブームの火付け役となる。


Column 商大探舎 Vol.3

商品実験室

戦後、新制大學への昇格にあたり、単獨昇格が可能となる要因の一つに、教養課程における自然科學分野の充足が條件にされたが、それには開校以來の「商品実験」科の存在と実績が大きく貢獻することになる。 他の高商に見られない獨特の特色を強く打ち出そうと、本館一階の北側に理化學教室と二つの商品実験室(化學?物理)を配置し、実験設備なども備えるという大きな投資をおこなっている。

商品実験室

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